町指定 崎の湯(湯壷)

 1979(昭和54)年2月24日指定

 湯崎温泉の西端にある「崎の湯」は、かつて湯崎七湯と言われた外湯の中で、ただひとつ昔のままで残っている浴場で、現在露天風呂として白浜に訪れる人々の人気を集めています。浴槽は荒磯の先に自然に侵食された大きな岩風呂で、東西7m南北に1.75mから3mで、1689(元禄2)年刊行の「紀南郷導記」に万病・手負い・打ち身・打ち傷が平癒すると記されています。

 特に、万葉学者で有名な犬養孝先生は、その著書に「古道にたどる万葉の悲歌」の中で、次のように述べています。

 「白浜の牟婁の湯は湯崎の岩盤の間に当時の岩風呂を残している(中略)斉明女帝も皇太子中大兄も入り、動乱期の歴史のひとこまをいきいと語る岩風呂は、国宝にも劣らない生きた歴史のあかしである(中略)このように、崎の湯は白浜温泉の歴史的名湯として、町の発展に大きく貢献。

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