岩城氏墓陰の文

 白浜町綱不知の岩城惣八夫妻の墓石の裏と側面とに記されている。小さいながら一寸珍しいものである。

 上は元の場所、写真向かって右上から二段。     Photo/2005-10-21

 白浜町綱不知の岩城惣八夫妻の墓石の裏と側面とに記されている。

 小さいながら一寸珍しいものである。

 往昔宝永亥四十月四日大地震並ニ津浪起ル。

 今ヲ去ル事百四十年ナリ。嘉永七寅十一月四日大地震、四五日海中雷ノ如ク鳴ル。俗ニ海鉄砲ト云フ。夕方七ツ時津浪ス、此ノ夜廿四五度満干、浪ノ高サニ丈余、村中困難一ト方ナラズ家屋田畑流失ス。又三十五年目、明治廿ニ年七月二十三日諸々山々崩レ、出水シ、津浪起リ、川々常水ヨリニ丈余、其ノ惨状、田畑家屋流出シ人畜   溺死スルコト数ヲ知ラズ。意外ノ大害ナリ。

 後世注意ノタメホボ予メ記シ置クモノナリ。

        (原文ハ漢文交リノ国文)

明治廿六年十月

岩城惣八 白

(注、丈 3.03m)         関連参考

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