幕末から明治にかけて活躍した土佐藩士出身の絵師(1812-1876)が安政南海地震(1854年12月24日)の被害状況を描いた冊子土佐震災図絵が、高知県佐川町総合文化センター
で見つかった。
絵金は狩野派に学び土佐藩のお抱え絵師として活躍。後に町絵師となった。
冊子の表紙には絵金の別名林洞意と書かれ、A4版大の和紙40頁画面いっぱいに押し寄せる津波 背に逃げ惑う家族や、燃える家に押しつぶされ半裸でもがく姿、頭をすすだらけにして、家財道具を背負って走る様子など被災の状況が生々しく描かれている。
地元の歴史愛好家、竹村脩さんが同センターで「調べものをしていた時に偶然発見。
絵師に師事した絵師の孫が同センターに寄付していたことが分かった。
安政南海地震は、1854年12月24日、東海北陸から九州にかけての西日本で発生。最大15−16mの津波が紀伊半島から九州の太平洋側を襲い数千人が死亡したとされる。
鑑定した高知県立美術館の鍵岡謹館長は「年代や寄付の経緯などから絵金のもので間違いない。地震を題材に取り上げるのは当時としては珍しい、貴重な資料だ」と話している。
安政、南海、地震チリー津波比較表
参考文献、南紀州新聞平成14年12月17日火曜日 共同 (6)
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