綺麗な芸者さん達が沢山、彼女達も練習。

 南紀白浜にて「サンドスキー」に興ず

 なんで今頃スキーの写真を?と思われるかもしれないが、これは冬のではない。滑っているのは砂の上、その名も「サンドスキー」という遊びである。皆、シャツの袖をまくり上げて一生懸命。左手女の子は、転んでもご覧の笑顔で、実に楽しそうだ。

 このサンドスキー場は和歌山・白浜温泉に、昭和7年の秋、開設されたもの。石英砂からなる純白の砂浜として有名な、白良浜の南端に位置していた。サラサラの白砂は、冬になると北西風に吹き飛ばされ、砂丘状に溜まったという。

 その地形を利用して、スキー場が作られた。3つのスロープと、他に婦人子供用のコースもあったそうだから、かなり本格的だ。白浜に続き、昭和9年には房総・御宿にも同様の施設が、当時は最先端のレジャーだったのかもしれない。

 戦後、白浜からサンドスキー場は姿を消す。今では冬から春にかけて白良浜に防砂ネットを張り巡らし、砂飛び自体をなくす対策がとられている。

 写真提供 幡谷賢三

 注、週刊新潮 平成15年6月19日号参照

 注、昭和7年10月2日サンドスキー場開設

 注、撮影年不明

 注、同じ写真が和歌山県立博物館の「むかしの絵はがき展」で「絵はがき」として展示されていた。

 注、昭和9年の湯崎白浜温泉名勝絵葉書にも同じ写真が掲載してあります。

 

  サンドスキー 昭和10(1935)年頃、明光バスの運転手さんと鶯嬢 。

Jpeg