大阪毎日新聞和歌山版 昭和10年2月23日

注,漢字など現在文に修正した。

 白浜、湯崎の新観光地帯 建設準備はかどる

 既報 白浜,湯崎の新観光地帯建設に着手の東京白石元次郎氏の遠大な計画に対しては同氏の代理者大家葉村氏が着々計画を進め千畳敷から梶原谷に至る約十町の区間に幅四間二尺のドライブ・ウェーを改修すべく南海工務所の手で測量に着手した,千畳敷から本礦(ほんまぶ)谷に至る渓には延長三十間の区間に深さ十間底幅二十間の長堤を築く予定で上水道水源地についてはさる九日日本鋼管水道部技術顧問伴宣氏が出張して本礦谷に一日湧出量三百石、磯来(いそぎ)谷に二千石の水源地を確かめて帰京した、道路完成後は第一期計画として村と五十年間の地上権を設定した下山土地の三十万坪に家屋五十戸を建設するはずである。