ほそる白良浜  50bの養浜計画も

   保全対策連絡協発足

    メンバー9人さらに調査のうえ

 年々減少する白浜温泉白良浜白砂対策は、県と町が昨年から調査を行っているが、県が委嘱したメンバーで「白良浜海岸保全対策連絡協議会」が発足。現在の浜を50b沖まで広げる養浜計画も上がっており今後さらに調査を続ける。

 同浜の砂は石英質で、他に同質の砂は無いといわれている。以前は後背地にも砂山があったが、県道が出来て、供給源をしゃ断、また後背地も開発が進み、現在は減少の一途。このため県と町が五百万円ずつ出して、昨年から汀線測量、深浅測量、水質検査、漂砂、波浪測量、航空写真や南海大地震にる沈下など調査している。この調査を元に対策を協議する白良浜海岸保全対策連絡協議会の委員に学識経験者ら九人を知事が委嘱して発足、今回初会合を開いた。

 席上、白良浜の風は円月島や権現崎からの南西の風が多く、台風時には南風を受けるまた潮流も権現崎から同浜を回り湯埼方面へ流れているため「権現崎へつき磯」、また「湯埼へも砂浜をつくった方が流されないのでは」などの意見も出された。 

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出来れば---線部分まで養浜の計画もある白良浜

 もっとも注目されるのは、現在の浜から更に沖へ五十b広げようという養浜計画。実現すればもとの海上娯楽センターの下まで砂浜となる。しかし五十bも沖に出すと、水深二bの所まで白砂を埋めなければならず、多量の白砂が必要となる。現在はエネルギーランド工事現場から約一万三千立方bの白砂を搬入しているが、その砂を利用したり、海中の白砂をサンドポンプでくみ上げる方法もあるという。
 このため今年度も汀線測量(白砂搬入の前後)、水質観測(海水浴前とピーク時の二回)、養浜材として利用可能な砂量と年間侵食量を調べる音波探査、波浪推算(冬期季節風と夏期台風時の浜の変形計算)、航空写真などの調査を行い結論を出す。
 会長岩垣教授
 今回のように県が地方の問題で委員を委嘱するのは例が無いといわれるだけに期待が寄せられているが、同協議会の委員は次の各氏。
 △会 長=岩垣雄一(京都大学教授)

 △副会長=土屋義人(京都大学教授)

      西原巧(建設省近畿地方建設局企画部長)

 △委 員=原田哲朗(和大教授)、

               河田恵昭(京大助教授)、

               片田良穂(白浜町長)

         北尾節朗(白浜町議会議長)、

               上出光司(県民局長)、伊藤宏(土木部長) 

参照 昭和56年4月26日 紀伊民報