湯崎のえびすさん     山神社の左       Photo/2005-10-28
 大正十四年(一九二五)七月十五日に現在の山神社に合祀されるまでほ、畑菊商店前の浜辺に戎神社が鎮座していた。『紀伊続風土記』の鉛山村の項に「衣美須杜、社地周八十四間、村中にあり」と記されている。祭礼日は毎年一月十日に行われているが、今ではしだいに漁業者にとって代わって、地元の商店街の人々のお参りが多くなってきている。祭礼当日は神主の祝詞があげられた後に投餅がある。十三日の日に漁業に従事する人たちにより戎講が設けられている。宿は毎年輪番で決め、酒食の宴で親睦を深めている。浜辺にえびすさんが祭られていたころ、大漁のたびにえびすさんに感謝するため、魚の尾鰭を切り落としお供えしたといわれる。また不漁の際は潮祭りを行い、海に御神酒を注ぎ沖止めして漁を休み、えびすさんに大魚を祈願したという。