砂の黒ずみ変わらず 白良浜で県と町が調査

 白浜町の白良浜で24日、県と町、住民が砂や海水のサンプルを採取した。白良浜の波打ち際の一部で砂が黒ずんでいることが6月に分かり、現在も状況は当時とあまり変わっていないとして住民が調査を要望した。県水産試験場(串本町)で調べるという。


 白良浜中央部の波が近年、目立って高くなったことや、貝殻交じりの砂利が昨秋から浜に上がり始め「これまで見られなかった現象」と住民らが昨年末に原因解明を県に陳情した。今春から白良浜で定期的に情報を交換したり、合同で調査したりしている。

 西牟婁振興局河港課と白浜町の観光・農林水産・建設各課の職員、住民ら15人が参加した。

 白良浜沖の水深3〜5メートルの海底を、船上から箱めがねで観察し、海面付近を漂う水を採取した。波打ち際を歩き、海底に漂う海水と陸側のくすんだ色の砂も採取した。

 白良浜の砂の黒ずみは、7月中旬に接近した台風4号による高波で海がかき混ぜられ、一時的に解消した。その後、再び現れ、この日も権現崎やT型突堤付近をスコップで掘ると、黒ずんだ砂が出てきた。

 西牟婁振興局河港課は「海底に青黒い砂が吹き上がったようになっているのを、船上から確認した。浜の南側と北側は夏のようには激しく黒ずんでいなかったが、予断を許さない状況に変わりはない」としている。

 住民らは「県や町と一緒に時間をかけて調べ、結果を踏まえて対応を考えたい」と話している。

  【浜の中央部で砂のサンプルを採取する参加者(24日、白浜町の白良浜で)】

 ('07/10/26)   参考文献 紀伊民報