正調串本節
 和歌山県の代表的民謡、というより日本の代表的民謡の一つに数えられるこの唄は、幕末の頃門付け芸人によってうたわれた「オチャヤレ節」が、いつか郷土民謡となり、更にお座敷唄になったもの、といわれます。

 大正13年頃京阪の花柳界で紹介されて以来日本中に流行しました。

 地元保存会の吹き込みです。

  「アーオチャヤレ」
ここは串本 向いは大島
仲を取りもつ 巡航船
アラ ヨイショ ヨイショ
ヨイショ ヨイショ ヨイショ

一つ二つと 橋杭立てて
心とどけよ 串本へ

潮の岬に 灯台あれど
恋の闇路は 照らしゃせぬ

 

日和や東風げじゃ 沖や白波じゃ
殿御やらりょか あの中へ

わしのショラさん 岬の沖で
波にゆられて 鰹釣る

障子あくれば 大島一目
なぜに佐吉は 松のかげ