白濱日記(昭和三年) 松瀬青々 |
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昭和3年瀬戸鉛山村略図(製作中) 俳号による実名など(製作中) |
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八月廿一日 |
注 解 |
数日の荒も鎮まった、瀬戸から「けふ波なし来
この夜は奮七夕である、「海上七夕」という 七夕を神に申さん玉津嶋
七夕や霞の橋を海の上、 船虫這ふ地に提灯や宵の秋
しばらくして自動車来る、或る辻に来て車を
此の家の下の磯に露天の温泉がある、先づ嬉
磯の湯の上はほがらに天の川 |
昭和二年八月一日、 大阪商船では那智丸、牟 婁丸(一、五〇〇屯)を交互に毎日 文里港に就 航開始。 倉惶=
奮七夕=
乙棚機=
鯵舟=アジ船 女棚機=
小船 物きく時= 尋ね惑へる=尋ね回っている 會て知る=大正12年6月8日に来村してしっている
或る辻=丸公園
熊野三所神社前、白良浜の芝田勇蔵氏別荘
白良浜の「みのわの湯」
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八月廿二日 |
注 解 |
暁に磯の湯に浴した。此の湯は数日の荒れで海
木の茂りの下で實に涼しい所であった。比の寺 |
白良浜の「みのわの湯」 湯の湧き口=小澤湯(現在も跡が残っている)
籠=竹のかごで口にフナムシが逃げないようにしてある。 昭和二年八月十五日、湯崎・稲成湯落成開業 盥=たらい (小さなたらいを密閉) 、「まげ」のこと 鉈=なた 鮑=あわび(トコブシ) 旨く=うまく イガミ=ブダイ 鮒=フナ
○=旧文字 文字なし
タルミ=フエダイ科(ヨコタルミ、ヒメフエダイなど) 擔桶=かつぎおけ
温泉に(原文)=温泉を 温泉汲みだしの記述は、「村の日記」追加した。
蛸一疋=タコいっぴき 咄=はなし イザリ火=イサリ火 瓦斯=ガス
澤山=沢山(たくさん) 耽=ふけっていた。(夢中でしょう)
ウグ=ゴンズイ 咄=はなし |
八月廿三日 |
注 解 |
朝五時入浴、日の上るを拝む、鳶よき声で鳴く |
鳶=トビ 地方名=トンビ 鷄=ニワトリ 沓嶋大島{通称、靴(クツ)島} 棲(す)む したゞみ したゞみ=小さな巻貝で、ニシキウズガイ科を総称
にし=ニシン、くろめ=クロベ
岡の宿かり=「岡宿借」(おかやどかり)
栖まず=すまず 輿=あたえ
掬=すくい 船虫=フナムシ 籠=かご ぐれ=メジナ 熊野三所神社は、六月十七日より拝殿を新築することになる。 御船山 六五八年、斉明天皇行幸 御腰掛石 (注、斉明天皇行幸、御腰掛石は、熊野三所神社のリンク) (注、御船山などは。斉明天皇遺跡碑にリンクしています)
渉って=わたって 叢生= 實=み(実)
鸚鵡貝=オオムガイ 磯巾着=イソギンチャク
あわ湊の石門か、北浦の石門か不明 悔たが=くいたが(反省)
太綱のわがねて=ふとい綱を輪にしていること 小徑=小道
遥か=はるか
けふ=今日 悉にす=ゆだねる・まかせるの意
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八月廿四日 |
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晏眠、西漁舟より一籠の魚を貰う、鯛三尾、た |
晏眠=安眠(あんみん) 剣烏賊=調査中
辿って=まわって 当時は、湯崎から千畳敷まて車道なし。
遮る=へだてる
泛々=ゆらゆら
幽かに=はるかに
鄙なる=ヒ・ひな
茄子=なす
行幸 六五八年、斉明天皇 六九〇年、持統天皇 七〇一年、文武・持統天皇 茄子=なす
胡麻=ごま
菰き=コク・まこも(こもと思う)
百日紅=サルスベリ
仔細=しさい 窺える=うかがえる
おしろいの花=オシロイバナ
黍ぬけろ=ショ・きび
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八月廿五日 |
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午前五時、起きると湯に入った、眺めると崎の |
朝餉=ショウ・かれいい(あさしょくの意か)
肴寵=さかなかご 螺=ラ・にな 赤螺=調査中
畑鴫=畠島(はたけじま)
帆檣林立=ほばしらりんりつ
歩して=ほして(歩いて)
五丁=囲碁のことか、五目ならべか
尺学=尺角の誤りか
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八月廿六日 |
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あながちに秋となけれど日の涼し |
晝前=昼前 流れ子=メガイアワビ ガシラ=カサゴ
詞=シ・ジ(ことば)
○=旧文字、調査中 鱚=キス
櫓=ろ
○=旧文字、調査中 江山の景=地域の景色 曲浦=浦、当時は地区や地域のこと 幾浦人=多くの地域人々のこと
舳=とも、へさき 麦酒=ピール
昭和二年一月三日、綱不知湾内で鯨三頭生捕る(村の日記) 昭和二年六月四日、立ヶ谷湾で午頭鯨四頭生捕る(村の日記) 鮪=マグロ・シビ 鰹=カツオ
雲丹貝=雲丹(くに)貝(カンガセと思われる)
二百十日=一年のうちで台風が来ると予想される日のこと
浦島=昭和二年六月一日開業
誂え=あつらえ 背ごし膾=せごしなます がざめ汁=ワタリガニ汁
猩々宿かり=
蟷螂=とうろう(カマキリ)
がざめ汁=ワタリガニ汁
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八月廿七日 |
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昨夜磯波の音高し |
鱚=キス
生簀=いけす
八百八島=大小の島が多いこと
針河豚=ハリフグ
毒海藻
倪雲林=中国の人名
磯鵯=いさひよどり
桶の尻=調査したが場所不明 ○田=塩田
江山=この地方
地震の断層ある磯を見た=調査
○=旧文字
蜈蚣=
柑子=
沙草亭=白良浜の芝田勇蔵氏の別荘
酒壜=さけびん 鶏鳴=にわとりなく |
八月廿八日 記載なし |
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八月廿九日 |
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瀬戸へ一寸出かけて.その後から権現の鼻を |
○=
別墅=別荘
布園のしっらへ=蒲団の支度 煮焚=煮炊(にたき)
晝餐=昼飯
はんだいの磯=古賀浦の羽衣・飯台
仮り居=芝田勇蔵氏の別荘
白良沙草亭=芝田勇蔵氏の別荘
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注、旧仮名は、なるべく現在文に修正した。 |
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